『キング・コング』(オリジナル1933年版)

1933年 アメリカ 監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック

キング・コング [DVD]

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P・ジャクソン監督がリメイクしたオリジナル。駅のワゴンセールで500円でした(画像で紹介してるのとは別のメーカー)。
制作された年代から「ちゃッちいB級ムービー」を想像してましたが、なかなかハイレベルな作品でビックリです。
オリジナルにはP・ジャクソン版にはない、怒ったコングが原住民の集落を襲うシーンがあるのですが、原住民役の俳優がコングにつかまれたり、ブン投げられたり、囓られたりします。コマ撮りで動くコングと生身の俳優の動きをシンクロさせて合成するのはかなり難易度が高いと思いますがさすがです。1930年代前半の特撮映画なんてあまり観る機会がないですが、オプチカル合成は技術的にほぼ完成していたと言っていいのかも。コングと3種類の恐竜たち(ティラノサウルスのような肉食恐竜とヘビみたいに長いやつと、プテラノドンのような翼竜)のバトルはすべてコマ撮りですが、これも見応え十分。職人技を堪能できました。
コングがニューヨークで暴れ出しアンを探す場面で、アンのいる部屋の窓を覗き込み、窓から手を突っ込んでさらって行くシーンは、東宝の『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』でもやってました。
重要なサブキャラである映画監督デナム役の俳優さんはわりと無表情でP・ジャクソン版でデナムを演じるジャック・ブラックとは対照的な感じです。とんでもない奴だけど、殺しても死なないような不貞不貞しさとかどこか憎めないところもあって、私はP・ジャクソン版のデナムの方が好きかもしれん(笑。