『キング・コング』(ピーター・ジャクソン版)

2005 アメリカ 監督:ピーター・ジャクソン

キング・コング 通常版 [DVD]

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横須賀マイカルシネマで『キング・コング』を観る。
ピーター・ジャクソンと言えば『ロード・オブ・ザ・リング 三部作』の監督として一般には知られていることと思うが、自分の中では、未だに、ウルトラB級ホラー『ブレインデッド』を撮ってしまった監督として記憶されている。
ブレインデッド』は1950年代のニュージーランドを舞台にしたゾンビ映画だった。今回の『キングコング』は最初にRKOで製作された映画のリメイクだが、舞台を現代に設定せず、大恐慌下のニューヨークにした。登場人物のコスチュームやブロードウェイのセットなど細部に渡って再現しているが、この監督らしいこだわりだと思う。

前半、髑髏島の探検パートでは、久々にP・ジャクソン監督らしいグロな表現がテンコ盛りで、犠牲者の死体の半数はミンチ状態だったはずだが、さすがに『ロード・オブ・ザ・リング 三部作』で大物監督の仲間入りをしただけあって、死体は見せず血のりの量はいたって少なめだった(何を期待しているのか)。
ストーリーは全体を通してかなりご都合主義で突っ込み所も多いのだが、それも1作目へのオマージュかも知れない。CGは最近流行りらしい視点の切り代わりが激しい処理で、『ロード・オブ・ザ・リング』より『スパイダーマン』に近い感じがした。

ヒロインのナオミ・ワッツは1968年生まれらしいが、スタントも結構吹き替え無しでこなしているし、冒頭のブロードウェイのステージでの激しい動き(横転とか)もやっていて、年齢を感じさせずにすごく頑張ってる(若くも見える)。日頃運動不足な自分は是非見習いたい。ハリウッドの女優さんは体張ってるね。そういえばこの人デビューしたての頃『タンクガール』に出てたのを思い出した(変わった名前だったので)。それから10年くらい売れなかったわけで、「売れない女優という」役は自身のキャリアに重なるところもあっただろう。

ストーリーは結構ワヤだが、ちょっとした台詞やさりげないワンシーンが伏線になっていたりして意外と凝った脚本だと思う(それでご都合主義の部分は確信犯ではないか?と思ったのだ)。