『エロティック・ハウス 愛奴』
1972年 香港 監督:チュー・ユアン
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2005/01/13
- メディア: DVD
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舞台は昔の中国(たぶん清の時代)のとある娼館で、武術の達人である女主人は盗賊に生娘(死語)を拉致させ、娼婦に仕込んで働かせています。というわけで冒頭、遣り手ババアによる処女チェックが。ババア「この娘は生娘じゃございませんよ」 女主人「相手はお前だね、商品に手を付けるとはいい度胸だ」ってどうして一瞬で相手がわかったんでしょうか。抵抗むなしく女主人にぶち殺される盗賊の下っ端。もう初っ端からとばしまくりです。
主人公の愛奴(アイヌ)は武術家の娘なので娼婦になんかなるのはイヤと抵抗し、監禁されてさんざんいたぶられます。そこへ食べ物や薬をこっそり差し入れる口の聞けない下男。「一緒に逃げよう」「あなたしゃべれるの」で、相談まとまり逃げようとするとまたも女主人が。エスパーですかこの人。抵抗むなしくあっさり殺される下男。「この場で殺されるかあたしの言うことを聞くかどっちか選びな!」ついに愛奴は娼婦に堕とされ、女主人から武術&レズプレイを仕込まれますが胸には復讐の炎が。レスビアンでサディストの女主人というと石井輝男監督の『徳川いれずみ師 責め地獄』にも出てきますが、女性収容所ものの女所長と同じパターン。
結局、愛奴は四人のオヤジに買われることになりますが、こいつらが揃いも揃って変態ばかり。ところがこの客たちが次々と謎の死を遂げていきます。そこには愛奴の陰が...。
冒頭の雪が降りしきる最初の客の殺害現場のシーン、女主人公が武術の修行を積んで四人の敵に復讐するという設定など同じ時期に日本で制作された梶芽衣子さん主演の『修羅雪姫』と似ています(原作コミックでは雪もレスビアンに設定されています)。終盤の梅の咲く庭園での剣戟は本格的でかつ様式美をたたえた必見のシーンで、これだけでも見る価値があるでしょう。そして思わず息をのむ衝撃的なラスト。