『カンフーハッスル』

2004 中国/アメリカ 監督:チャウ・シンチー

チャウ・シンチー監督の3年ぶりの新作『カンフー・ハッスル』を見る。
とにかく笑えて泣けた。こんなに面白すぎるカンフー映画見たのはひさしぶりだ。

巻頭、貧民街に隠遁している武術の達人3人のアクションに圧倒される。特にナヨナヨした仕立て屋の親父の豹変ぶりが最高! 過去の作品にリスペクトされた時代がかったBGMもすばらしい! さらに中盤でギャング団の斧頭会(ふとうかい)が雇った殺し屋との対決で大家夫婦の正体が! おばはんは最初からただ者ではないオーラを発していたがまさか、おっさんがこんな使い手とは、やられた! 武術指導がユエン・ウーピン師匠だけに中盤までの生身のアクションシーンはハイレベルで見せまくる。

終盤、ラスボス(?)「火雲邪神」が登場するあたりからCG使用率が高くなり、なんだか『マトリックス・レボリューション』っぽくなる。まあ、これはこれで楽しめないわけではないが、いわゆる「カンフー映画」の範疇ではなくなっている感じ。主人公の必殺技がなんというか...ひたすら笑える。

そしてラスト。
チャウシンチー演じる更正したチンピラの主人公と、偶然の出会ったのにすれ違い続けていた幼なじみの少女の無言の再会。
これはもう本当に泣ける。しかもこの泣けるシーンでエンディングにしないところがいかにもチャウ・シンチーらしい。DVDの発売が楽しみ。